ぐんま経済新聞記事
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デイケア持つ精神科診療所
福祉との連携、自助グループも

駒形メンタルクリニック
 前橋市郊外のJR駒形駅近くに10月、駒形メンタルクリニック(前橋市上増田町422-1、佐藤恒夫院長℡:027-266-8880)が開院した。県内の精神科診療所ではまだ少ないデイケア施設を備え、患者の社会復帰を支援するほか、カウンセリングや患者の自助グループ活動など、薬物療法以外の治療にも力を入れる。福祉との連携にも積極的に取り組んでいく。
 佐藤院長は群馬大学医学部卒業後、県内の精神科専門病院に約30年勤務。その後県内診療所で約10年地域医療に携わった。病院、診療所双方での経験を生かし、「地域に溶け込み、福祉と連携した医療を展開したい」と開院したもの。  建設地は静かな環境で、デイケア利用者が電車で来られるよう、駒形駅から約1㌔の田園地帯を選んだ。建物は2階建て。1階は診察室2室と処置室、2階にデイケア室、静養室(和室)、カウンセリング室、グループルームなどを設けた。完全防音のオーディオ室もある。
 スタッフは看護師、作業療法士、心理療法士、精神保健福祉士など10人で、専門職種によるチーム医療を展開する。うつ病や依存症をはじめ、統合失調症の治療にも力を入れていく。来年4月からは常勤医師が1人加わる予定。  デイケアは18人まで受け入れが可能。現在7、8人が通い、創作活動などを行っている。調理や音楽鑑賞、カラオケ、周辺の散歩などができ、前庭に畑を作る計画も。「デイケアは一つの通過点。人との関係を持てるようになることが、就労にもつながる」と佐藤院長。今後は患者の動向を見て、自助グループや家族会を立ち上げる考え。
 また福祉との連携では、佐藤院長が理事を務める社会福祉法人と、不登校・引きこもりの人を支援するNPOにクリニックの朝の清掃を依頼。2人ずつ計4人が交代で通っており、社会参加の場を提供している。
 佐藤院長は「病気を持っている人が少しでも生きやすくなるよう支援したい。患者さんや家族から、当事者同士のサポートが薬以上に効果があることを学んできたので、それを還元したい」と診療方針を語っている。
 診療時間は
午前9時—12時30分、午後3時—6時。
日、月、祝祭日と木曜日の午後休診。
デイケアは診療日の午前10時—午後4時、木曜は午前のみとなる。